あなたの体も宇宙線でビシバシ貫かれている!
- だのにちっとも痛くないって?
- それは余りにも宇宙線が小さく
数が少ないからです。多いといったり、少ないといったり、
さっぱり分からないって?
- どんな宇宙線が?
- あなたの体を貫いている宇宙線の
主なものはミュー粒子といわれるものです。その他にガンマ線、
電子等もあります。ガンマ線はレントゲン写真のX線のエネルギー
の高いやつですね。
これはシンチレーティングファイバーといわれる
発光性のプラスチックの細い管を束ねた検出器を通過
した宇宙線のミュー粒子の飛跡です。
- 装置の概念図。
- 電荷を持った粒子が通過すると
光を出すファイバー(特殊な物質を混ぜた光ファイバー)の帯を
鉛などの物質で挟んでおく。光はファイバーを伝わって8ミリカメラ
などで使われるccdという素子に入り、映画のように記録される。
光はものすごく微弱だから(1個2個と数えられ位)、
ccdに入れる前に増幅する必要がある。鉛は宇宙線を短い距離の間に
増やすためにある。ミュー粒子は貫通性が強いので、鉛も
平気ですりぬけ、増殖はしません。
- 電子やガンマ線が入射すると
- 鉛の中で一気に増殖し、シャワーのように飛跡が写ります。
- どれ位の数の宇宙線が体を貫いているか?
-
1秒間にあなたの体を100個やそこらのミュー粒子
が貫いているでしょう。
- 体はどうなるか ?
- 宇宙線が体に
入ると、物質の中の原子の回りの電子をはね飛ばす作用が一番顕著です。
電子がはね飛ばされても、すぐに他の電子が穴埋めするので、
大した問題にはなりませんが、数が非常に多いと、焼けどのような
症状が出たり、癌の元になったり、するでしょう。
- 体の細胞の中の原子の数は
- 100という数字に較べれば、めったやたらに多い。0が20個以上も並ぶくらい
はあるのだから。だから、少し位の原子がおかしくなっても大丈夫なのだ。
- 写真も同じ
- 写真フィルムには光が当たったのと同じような効果をだします。
日焼けはまさにこのような作用なのです。でも宇宙線の数は1秒間に100個
程度で、これはレントゲンのX線の数に比べれば、何桁も数が少ないのです。
- 問題はある
- そこで痛くもかゆくもないのですが、長期にわたるとやはり何らかの
害があるといわれています。宇宙線は高空ほど多いので、飛行機に
乗務する人(特に女性)はその影響が問題にされています。